Introductory text
このキャタピラ付ハーフトラック「autochenille P17」は「銀色の三日月」という愛称でも呼ばれ、シトロエンの第3回遠征の副隊長、オードワン=デュブレイユ(Audouin-Dubreui)の車両のレプリカです。中国グループとパミール・グループの2つに分割された、「黄色の巡航艦隊(Croisière Jaune)」の遠征は、パミール・グループにこのP17を帯同し、ベイルートから北京西門までの12,115 kmを、315日間(1931年4月4日~1932年2月12日)で横断しました。この車両はこの他にも、シトロエンが組織した2回の科学的探検、1922年の第1回サハラ横断と1924年の「黒い巡航艦隊(Croisière Noire)」 にも帯同されました。広く知られるこれらの冒険の写真、絵画、そして映画は、今日でも冒険という名の心地よい余韻を、私たちに伝えてくれます。勿論、シトロエンのキャタピラ式トラクタの大部分は、丸太や砲弾の牽引、畑の工作、あるいはウィンタースポーツ施設内での旅行客たちの輸送といった、より伝統的な用途に利用されました。